貧血
貧血とは血中のヘモグロビンが不足している状態です。貧血は多くの方が抱える症状であり、特に男性より女性の患者さまが多いです。女性の10人に1人が貧血を訴えているというデータもあり、その数は増加傾向にあります。
貧血は急激に体調を崩すといったものではなく、徐々に体調不良となるので本人であってもなかなか気づけません。病気でもなく、特に原因が見られない場合は鍼灸治療が有効です。
貧血の原因
貧血は血が少ないということではなく、血中のヘモグロビン(全身に酸素を運搬しているタンパク質の一種)が正常値よりも少なくなり、血が薄くなっている状態です。
ヘモグロビンが減少していると血中の酸素が低下してしまい、筋肉や内臓が酸素欠乏になってしまい、疲労や動悸など体調不良となって現れます。
また、胃や腸の働きが低下していても重度の貧血が起こる場合があるので、思い当たる症状が在る場合は専門の医療機関で相談することをおすすめします。
- 食生活の乱れ
- 肝機能の低下
- 生理による出血
- 妊娠・出産
- 無理なダイエット
などによって貧血は引き起こされますが、検査で病気などの異常はなく特にこれといった原因が分からなかった場合は鍼や灸による治療が効果的です。
貧血の症状
貧血の主な症状としては、
- 倦怠感
- 疲れやすい
- めまい
- 動悸
- 息切れ
- 目の前が真っ暗になる
- 顔の血の色がなく顔色が悪い
などがあります。これらの症状は貧血特有のものではなく、他の病気が原因となっているケースもあるので、症状が強く見られる場合は一度検査を受けることをおすすめします。
鉄分の吸収を阻害してしまう原因
食事中に水分を多くとる
食事中に水分を多くとってしまうと、胃酸が薄くなってしまいます。
鉄分は胃酸によって酸性にしておくことで、腸での吸収率を上げるので、胃酸が薄くなってしまうと鉄分の吸収も下がってしまいます。
食事と一緒にお茶を飲む
お茶に含まれるタンニンという成分が鉄分と結合しやすいので、体内への鉄分の吸収を阻害してしまいます。
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品をよく食べる
乳製品に含まれるリン酸塩が鉄分の吸収を阻害してしまいます。
鉄分を上手にとるための食事の工夫
・鉄欠乏性貧血時は、小松菜、サラダ菜、大根菜の葉物野菜やシジミ、アサリなどに含まれる非ヘム鉄の方が吸収率が高いのでおすすめです。
・鉄分の吸収率を上げてくれる栄養素に、ビタミンCやクエン酸があります。
ビタミンCを多く含む野菜・果物
⇒ブロッコリー、パプリカ、ゴーヤ、キャベツ、アセロラ、キウイフルーツなど
また、クエン酸は体内でのエネルギー代謝に作用し疲労回復にも役立つので、梅干し、レモンなどもおすすめです。
食事はよく噛んで食べるようにしてください。
貧血の治療法
東洋医学において、貧血は血(けつ)の不足によって起こると考えられています。血が不足している状態を血虚(けっきょ)といい、栄養不足・多量の出血・ストレスなどが主な原因です。血の巡りが悪くなっている瘀血(おけつ)によっても貧血の症状が出ますが、いずれも鍼灸や指圧によって血行を改善することで症状が軽くなります。
貧血に期待できる鍼灸治療の効果
もちろん、日頃の生活習慣、食生活を見直していただくことが第一ではありますが、そんな貧血を鍼灸治療によって改善することができます。鍼灸治療により自律神経を整え、内臓の働きを正常な状態へと戻していきます。血液は内臓から作り出されるので、貧血にも効果があるとされています。
血の巡りが悪くなっている瘀血の場合はマッサージして体の血の道を整えることが大切です。