頚性神経筋症候群
頚性神経筋症候群(けいせいしんけいきんしょうこうぐん)とは難治性の不定愁訴のある患者の首の筋肉に過度な負担がかかり顕著な緊張がみられる症候群です。俗称として「首こり病」と呼ばれています。
現代生活の中では、特に首に負担がかかりやすくなっており、首の痛み、首こりの状態が慢性的に続くことで症状が現れると考えられています。
頭の重さは、体重の約10%といわれてます。
女性で約4~5Kg、男性で約5~7Kgです。
座っている姿勢で居眠りすると頭が前や後ろに落ちることがあると思います。
起きている時に頭が前や後ろに落ちないのは首や肩の筋肉が支えてくれているからです。
首は4~7Kgの頭をずっと支えていることになります。なので首や肩の筋肉は当然、凝り固まります。
主な症状は、首の痛みや重さ、頭痛、めまい、吐き気や食欲不振などの胃腸障害、そのほか自律神経に関係する症状などで、軽度な方ですと、慢性的なだるさや倦怠感、「何となくやる気がでない」といった症状が出ることもあります。
その他に
- 慢性的な眼精疲労
- 寝ても疲れがとれない
- やる気が出ない
- 体がだるい
- 集中力の低下
- 不眠
- PC作業のし過ぎによる吐き気やめまい
- 強い肩こりや腰の張り
- 頭がのぼせる
- 血圧が不安定
- 微熱が出る
- 気温に関係なくよく汗をかく
- 動悸や息切れがする
- 目が見えにくい、視界がぼやける、目の奥が痛い
- 噛みしめがある
などが考えられます。
このような多岐にわたる症状の原因を検査してもはっきりしないことが多く、医療機関を受診しても「不定愁訴」として考えられてしまうこともあります。
頚性神経筋症候群の特徴
頚性神経筋症候群による不定愁訴は17個あるといわれています。
緊張型頭痛、めまい、ムチウチ、自律神経失調症、うつ、パニック障害、慢性疲労症候群、不眠症、多汗症、ドライアイ、ドライマウス、機能性胃腸症、過敏性腸症候群、機能性食道嚥下障害、血圧不安定症、VDT症候群、更年期障害があげられます。
頚性神経筋症候群が起こる原因
頚性神経筋症候群は、首の筋肉が過緊張してしまうことにより自律神経系の働きに異常が起こることによって様々な症状が引き起こされると考えられています。
首の筋肉の過緊張は、パソコンやスマートフォンなどの使用時、うつむき姿勢を続けることで生じます。
仕事とプライベートを合わせ、起きている時間ほとんどをパソコンやスマートフォンの画面を見つめて生活している方は多いと思います。
画面のちらつき下に長時間さらされることで、眼精疲労が起こり、これらが首の過度な筋緊張を引き起こしています。
操作時の姿勢
さらに、パソコンやスマートフォンを操作するときの姿勢が首こり状態に大きな影響を及ぼします。
パソコンでは作業時に、肩を上げすぼめて顎を突き出すような姿勢をしていたり、スマートフォンではうつむいて操作している方をよく見かけますが、現代生活の中でとる姿勢が首こりの原因になっています。
最近はスマホ首と呼ばれるようにもなりましたが、特にうつむき姿勢で長時間ゲームをしたり、動画を見たりしている方は、慢性的な首こりになっている可能性があります。
情報化社会の中で、パソコンやスマートフォンは生活から切っても切り離せない存在ですので、頸性神経筋症候群は、現代人の生活習慣病とも言えるのです。
また、事故などによる頭部外傷やムチウチでも起こるとされています。首の筋肉は自律神経のうち副交感神経と密接な関係があるので、首の筋肉の異常は自律神経の異常へとつながるのです。
他にも
- 長時間座って作業している
- 運動不足
- ストレス
などが原因として考えられています。
肩こりの原因と共通していますが、ストレスが原因で、自律神経の乱れによって生じる症状が多いです。現代社会は、ストレス社会です。会社での人間関係、仕事での精神的ダメージだけではなく、睡眠不足や仕事のしすぎなど身体的なダメージもストレスになっています。ストレスを受けると体の筋肉を緊張させてしまいます。(体を守ろうとする防御反応といえます)これを繰り返し、積み重ねることにより、体の筋肉は過度に筋緊張し、特に首の筋肉の過緊張は、頚性神経筋症候群(首こり)の原因となるのです。
そのため、「ストレスを減らす」や「リラックスする」という方法も1つの改善策ではありますが、軽度な症状を除き、それだけで辛い症状が改善されることは少ないのが現状です。
頚性神経筋症候群の対策
首の筋肉をほぐすことがとても大事になってきます。
首の筋肉をほぐすには、ストレッチと運動が効果的です。運動すると血流が良くなり、凝り固まった筋肉が少し解消されますが運動を続けることが難しい方が多いのが現状だと思います。毎朝、ラジオ体操をするだけでも効果がありますので少しやってみるようにしてください。
ふじみ野市上福岡のひかり鍼灸整骨院では電気治療と手技療法を行って筋肉の緊張をほぐしていきます。
首の筋肉、主に胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、頭板状筋です。
まずしっかり、柔軟性を取り戻します。
痛い箇所は、もちろんですが、首だけではなく肩、背中までしっかり診ていきます。
最後に、日常生活における姿勢や動作のアドバイスで繰り返すことが無いように指導します。